ご挨拶
この度、日本特殊教育学会第62回大会(会期:2024年9月6日(金)〜8日(日)、会場:福岡国際会議場)を、福岡教育大学で担当させていただくことになりました。皆様には、新型コロナ感染症拡大に際して、誌上発表・WEB開催となりました第58回大会(福岡教育大学)のことも、まだ記憶に新しいことかと思います。あれから約4年となります今回の大会は、皆様を福岡の地にお迎えしまして、あらためて対面での開催を予定しております。
会場となる福岡国際会議場は、JR博多駅や福岡空港からのアクセスも良く、ユニバーサルデザインで設計されています。また、福岡は発展し続ける斬新な近未来的な景観をもちながらも、旧い街並みや史跡のなかに、大陸からの文化を受容してきた歴史と人の「おおらかさ」や「温かさ」を感じることができる都市です。さらに、福岡から九州・沖縄各県へと足をのばしていただけると、個性豊かなお国自慢や多彩なグルメを楽しむことができます。
さて、振り返りますと、第58回大会は「インクルーシブ教育実現に向けての協働と革新」というテーマで開催いたしました。大会では、「より良い実践と研究を継続的かつ一体的に行うための取り組み」「多領域・多職種の連携の必要性と課題」「アートのもたらす自己実現と社会参加」などの視点から、今後のインクルーシブ教育実現に向けて、熱心なご議論をいただきました。
そこで、今回、大会準備委員会では近年の大会の方向性や成果、第58回大会の課題を整理しながら、企画を進めて参りました。その際、あらためて国連が掲げたSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)のコンセプトである「誰一人取り残さない社会」「誰もが社会の担い手」「包摂的な社会の形成」という視点は、今回の大会はもとより、これからの特別支援教育の展開と新たな価値の創出に向けて重要な内容と考えるに至りました。
大会のテーマは、このSDGsのコンセプトを踏まえながら、サブタイトルにはあえて平易なことばで『わたしからはじめる/わたしからつなぐ』としました。今、わたしからはじまる特別支援教育が身近な地域やエリア、さらには全国へとつながる仕組みが必要だと考えます。また、個々の研究・実践のもつ多様性や重層性の融合こそが、新たな成果を生み出すのではないでしょうか。
大会では、様々な講演、シンポジウムなどをとおして、特別支援教育における地域連携・協働や教師の養成・研修のあり方など、教育現場が直面する様々な課題について議論できればと思います。また、基礎的研究の成果の発信も期待されるところです。
大会の準備はまだ途上ですが、対面開催の良さを十分に活かしながら、会員の皆様へ新たな交流の機会を提供できるよう大会準備委員会一同取り組む所存です。皆様方のお越しを心よりお待ちしております。
日本特殊教育学会第62回大会 準備委員会
委員長 中村 貴志(福岡教育大学)